후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면
滋子は波のように揺れ揺れる萩の花むらを眼を細めてながめながら、二人にとっておそらくたった一度の油断を、見るはずもないやすに見られたというのは、いったいどういうことなのだろうとつくづく考えた。
杜松子は生き生きした顔つきになって戻ってくると、心のうれしさを包みきれぬといったようすで、
「久住さんからでしたのよ。そちらの昼食には間に合わないけど、かならず夕方までに帰るからっておっしゃっていらっしゃいました」
「どうもお世話さま。ずいぶん長いお電話でしたのね。なにか面白いことがあって?」
滋子がそういうと、杜松子は身にそなわった品を失うまでに身体をはずませながら、
「おあてになったわ。それは面白いお電話でしたのよ。久住さんがあんなにお笑いになるのはじめてよ。そうして、あたしが電話を切ろうとしますと、もうすこし、もうすこしって」
廊下にしずかな足音がして女中たちがお膳を持って入ってきた。
向は鯛のあらい、汁は鯉こく、椀盛は若※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)と蓮根、焼物は藻魚の空揚げ、八寸はあまご、箸洗い、という献立だった。青紫蘇の葉を敷いた鯛のあらいも、藻魚の附合せの紅葉おろしも、みないい知れぬ哀愁を含んだ美しさで、やすと向きあって食事をしている杜松子の顔の中にもなにかしらそれと通じあうものが感じられ、愁い