후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
のりあいじどうしゃ
乗合自動車
川田 功
川田 功의 乗合自動車(のりあいじどうしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,957자 · 8화면
併し其時の動揺は隼英吉が目的を達する為め絶好の機会を与えたものであった。彼は指の股に挟んで居た専門器械を以て電光の早さの中に鎖を切断した。山吹色の懐中時計は訳もなく彼の掌中へ転げ込んで来た。こんな事は彼等に執って地上に落ちて居る物を拾い上げるよりも容易であった。次の一揺れに躯を接触させた彼は、肘の先でポケットの中の紙入れをずり上げて居た。片方の手は其刹那に伸びて、土筆を抜くよりも容易に引抜いて自分のポケットへ納めて居た。
第三の瞬間は直ちに動揺を伴って来た。彼は先刻からの仇敵様に憎んで居た年増の婦人の袂へ、今紳士から抜取った二つの品を押込んで了った。そして停車すると同時に急いで混合う人々を押分けて、二三人の客の後に跟いて出口から下車して了ったのであった。其処には客から切符を受取る為めに女車掌が立って居た。其傍には続いて彼を尾行ける為めであろう、箕島刑事も先に降りて茫然と手持無沙汰に立って居た。彼は切符を渡す時、黒服赤襟の女車掌の耳元へ口を摺寄せた。
「今降りて来る女はやりましたよ」と、只之れ丈け云って自分の人指ゆびを鈎にして見せた。
「ええッ」
車掌の驚いた声で刑事は振向いた。