후리가나로 읽는 일본 고전
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くがつよっか
九月四日
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 九月四日(くがつよっか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,447자 · 5화면
わたしの庭に芒などは一株も栽えていなかったのであるが、どこから種を吹き寄せて来たものか、高い芒がむやみに生いしげって、薄白い穂を真昼の風になびかせているのも寂しかった。虫もしきりに鳴いている。白い蝶や赤い蜻蛉もみだれ合って飛んでいる。わたしはここで十年のあいだに色々の原稿を書きつづけた。ここから母と甥との葬式を出した。そんなことをそれからそれへと考えると、まったく蕉翁のいわゆる「夢の跡」である。
いたずらに感傷的の気分に浸っていても仕様がないので、うるさく附き纏って来る藪蚊を袖で払いながら、わたしは早々にここを立退いた。K氏の普請場に家の人は見えなかったので、挨拶もせずに帰った。
それからO氏の家をたずねて、玄関先で十五分ばかり話して別れた後、足ついでに近所を一巡すると、途中でいくたびか知人に出逢った。男もあれば、女もある。その懐しい人々の口からその後の出来事について色々の報告を聞かされたが、特にわたしを驚かしたのは、死んだ人の多いことであった。
震災当時、麹町には殆ど数えるほどの死傷者もなかった。甲の主人、乙の細君、丙のおかみさん、その人々の死んだのは皆その以後のことである。