일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

宮本 百合子의 二つの庭(ふたつのにわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,492자 · 389화면

아오조라 문고

そして、お辞儀をして出て来た。

「お待ちにならずに、とおっしゃいました」

伸子は、涙がつき上げて来そうになった。

「すまないけれど、もう一ぺん行って頂戴。待っていますからって――」

元気に階段を降りて来た保が、敷居ぎわで立ち止まった。大食卓の上に、向い合いに淋しく二人だけおかれている食器を見下しながら、歩調をかえて、のろい足どりで入って来て席についた。

「お母様と一緒にたべましょうよ、保さん」

伸子はつよく訴えるように弟にいった。

「その方がいいわ」

「僕、どっちでもいい」

保はこういう生れつきなのであった。

女中が母の分を盆にのせて運んで来た。

「いらっしゃるって?」

「はい」

おつゆが段々冷えていった。そのときになってやっと客室のドアがあいた。同時に、

「おや、こっちは冷えること……」

ひとりごとのようにいう多計代の声がした。

小紋の羽織の袖口を、胸の前でうち合わせるような様子で入って来た多計代を見て、伸子は圧倒される自分を感じた。皮膚の滑らかな多計代の顔は、ふっさりした庇髪の下に上気して匂うような艶をたたえている。いつもより、しばたたかれるまつ毛はひとしおこまやかで、多計代の大柄な全身から、においのいい熱気がかげろい立っているようにさえも見える。