일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

宮本 百合子의 二つの庭(ふたつのにわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,492자 · 389화면

아오조라 문고

白い浴衣の男が、わざとわかろうとしないんだ、とひとくちに云った言葉は、伸子の耳から入って小さいとげのように心にのこった。その言葉は不愉快な鋭さで伸子の心をつついた。伸子にすれば、わざとわかろうとしないなどという態度は、そこになにか防衛しなければならない特別の利害とか、権威とかを考えずには思えもしなかった。篠原蔵人の階級芸術についてかいた論文は引用ばかりのようでよくわからなかった、と云った伸子に、どんな打算があったというのだろう。わざとわかろうとしない必要がどこにあるのだろう。

久しぶりで、昔の同窓生であり、小説家である河野ウメ子が遊びに来たとき、伸子は、その奇妙な訪問者のことを話した。

「その人は、そういうのよ。――わざとわかろうとしないんだ、って……そんなことありうる?」

下町に育って、小柄なからだに、特徴のある美しい上まぶたの表情と長いまつ毛をもったウメ子は、糊のきいた素子の伝法な柄の浴衣の中で、

「どういうんでしょうか」

ほっそりした首をすくめるようにして、素子の方を見かえした。素子は、黙っている。三人の前に、ウメ子のお土産だったアイスクリームをたべたガラス皿があった。