후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたつのてがみ
二つの手紙
芥川 竜之介의 二つの手紙(ふたつのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,799자 · 24화면
私たちは丁度、外濠線の線路を、向うへ突切ろうとしていた所なのでございます。
電車は勿論、すぐに私たちの前を通りぬけました。しかしその後で、私の視線を遮ったのは、ただ中西屋の前にある赤い柱ばかりでございました。二つの幻影は、電車のかげになった刹那に、どこかへ見えなくなってしまったのでございます。私は、妙な顔をしている友人を促して、可笑しくもない事を可笑しそうに笑いながら、わざと大股に歩き出しました。その友人が、後に私が発狂したと云う噂を立てたのも、当時の私の異常な行動を考えれば、満更無理な事ではございません。しかし、私の発狂の原因を、私の妻の不品行にあるとするに至っては、好んで私を侮辱したものと思われます。私は、最近にその友人への絶交状を送りました。
私は、事実を記すのに忙しい余り、その時の妻が、妻の二重人格にすぎない事を証明致さなかったように思います。当時の正午前後、妻は確かに外出致しませんでした。これは、妻自身はもとより、私の宅で召使っている下女も、そう申して居る事でございます。また、その前日から、頭痛がすると申して、とかくふさぎ勝ちでいた妻が、俄に外出する筈もございません。