일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しつらくえんさつじんじけん

二十世紀鉄仮面

小栗 虫太郎

小栗 虫太郎의 二十世紀鉄仮面(しつらくえんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,489자 · 77화면

아오조라 문고

所がその時、厨川君は薬師仏にも奇蹟を現わしたのだよ。突然如来の光背の辺で、後光が燦いたのだ」

「なに※(感嘆符疑問符、1-8-78)」熊城が思わず莨を取り落すと、

「ああ、貴方は実に怖ろしい人だ!」と呻く様に朔郎が嘆息した。然しながら、法水にとっては、その真相も、一つの事務的な整理に過ぎなかったのであった。

「所が、それが線香花火なんだよ。厨川君は、薬師仏の背後の壇上にある聖観音の首に、鏡を稍下向きに掛けて置き、薬師三尊の中の月光像の背後で、線香花火を燃やしたのだ。すると勿論その松葉火が鏡に映る訳だが、それを胎龍の座所から見ると、護摩の烟で拡大されて、恰度薬師仏の頭上で後光が閃いた様に見えたのだよ。と同時に、強烈な精神凝集が起ると云う事は、心理学上当然な推移に違いないのだ。今に兜率天から劫火が下って薬師如来の断罪があるだろう――とそう云う疑念を、鋭敏な膜の様に一枚残しただけで、胎龍の精神作用を司どる瀕死の生体組織共が、一斉に作業を停止してしまったのだ。そうして、此の状態は、低い絶え絶えな経声と共に、恐らく数十秒の間続いた事だろう。その間に、厨川君は背後の物蔭に廻って、辛うじて聴き取れる経文の唱句をじいっと耳膜で数えながら、最後の――殺人具を最も効果的にする――或る一節に達するのを待ち構えていた。