일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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にかいから

二階から

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 二階から(にかいから)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,761자 · 30화면

아오조라 문고

日本で初めてこの病が流行り出したのは明治二十三年の冬で、二十四年の春に至ってますます猖獗になった。我々はその時初めてインフルエンザという病名を知って、それは仏蘭西の船から横浜に輸入されたものだという噂を聞いた。しかしその当時はインフルエンザと呼ばずに普通はお染風といっていた。何故お染という可愛らしい名を冠らせたかと詮議すると、江戸時代にもやはりこれに能く似た感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の流行性感冒もそれから縁を引いてお染と呼ぶようになったのだろうとある老人が説明してくれた。

そこで、お染という名を与えた昔の人の料見は、恐らく恋風というような意味で、お染が久松に惚れたように、直に感染するという謎であるらしく思われた。それならばお染には限らない。お夏でもお俊でも小春でも梅川でもいい訳であるが、お染という名が一番可愛らしく婀娜気なく聞える。猛烈な流行性を有って往々に人を斃すようなこの怖るべき病に対して、特にお染という最も可愛らしい名を与えたのは頗る面白い対照である、流石に江戸児らしい所がある。しかし例の大虎列剌が流行した時には、江戸児もこれには辟易したと見えて、小春とも梅川とも名付親になる者がなかったらしい。