후리가나로 읽는 일본 고전
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 人外魔境(じんがいまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 101,713자 · 205화면
ただ、大塩沙漠のあの熱気だけは、急場の凌ぎに絞りだしたのではあるが……。
その、たんなる想像が本物になる。少くともなりそうだ、と考えた。すると、一度は死ぬんだったという捨身な気持が、彼に日本人らしい犠牲の念を呼び起してきた。
(大塩沙漠へゆくことは、けっして無意義ではない。もしも覗き穴があって「大盲谷」に達していれば、俺は「英波石油」の油層の下へゆけるのだ。またもし、大盲谷の広さが真実とするならば、ソ連コーカサスへもメソポタミア油田下へも、なんとか手段を尽せばゆけないものでもない。
そうだ。故国一朝有事の際の、破天荒な電撃――。一隻の潜水艦、十人の挺身隊。もし覗き穴さえわかれば、それで事足りるではないか。油層下からの処置で、油田は渇れるだろう。また、十人の犠牲で全油田爆破ともゆける。その下地を、俺はいま作りあげようとするのだ。で俺が、もしも大塩沙漠から生還した場合、俺は国家への協力をほこれる。また、万が一の際は知られない犠牲として、俺は個人としての最高の死を遂げることになる。犠牲――。それも、知られないほど、美しい)
夜が明けかかり、砂丘の万波にようやく影が刻まれてゆく。