후리가나로 읽는 일본 고전
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しぐれがさ
人情武士道
山本 周五郎
山本 周五郎의 人情武士道(しぐれがさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,700자 · 51화면
「私も必ず、宗七の作と銘打って恥かしからぬ品を仕上げまする。……就きましては、お殿様には杉田屋よりそれを十金にてお求め遊ばしたように伺いまするが」
「それがどうか致したか」
宗七は袂から二分銀を二つ取出して、
「甚だ失礼ではございますが、私が次にお眼通り致しますまで、つまり其品のお下渡しを願いますまで、十金の内へ手付けとしまして、……こ、この壱両をお預り……」
「これ、これ無礼なことを」
権太夫が仰天して乗出した。……堀田家は一万三千石だが、帝鑑ノ間伺候の大名である。幾らなんでもその相手へ二分銀二つ差出すというのは度外れだ。
権太夫は顔色を変えたが、正倫は興あり気にそれを止めて、
「捨て置け権太夫、面白いではないか、余が町人から壱両の手付けを預るというのは初めてだ、面白い、預るぞ宗七」
「かたじけのう存じます、これで私も安心致しました」
「余も手付けを取って安堵したぞ」
正倫は声を挙げて笑った。
宗七も笑った……。笑いながら、宗七はにわかに胸が空闊とひらけ、体いっぱいに爽かな風の吹通るのを感じた。
一点に追詰められていた退引ならぬ気持が、正倫の寛闊無碍な態度に会って、一時に解放されたのである。