후리가나로 읽는 일본 고전
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しぐれがさ
人情武士道
山本 周五郎
山本 周五郎의 人情武士道(しぐれがさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,700자 · 51화면
「いや、母上、それは然し」至はびっくりした。
「いいからお相手をしてあげてお呉れ、すぐ戻って来ますよ」母はぜをして、幸枝にもすばやく頷きながら、青野村の方へと去って行った。
至は黙って竿の尖を覓めていた。幸枝も無言のまま悄然とそこに佇んでいた。今日のことは幸枝が運んだのである、夏女に縋ってこういう機会を作って貰うには、武家の娘として並ならぬ決心が必要であった。幸枝はそれを敢てした。――臆してはならぬ。敢てしたその決心が、さてその場になるとたじたじとなってしまう、然し機会は今の瞬間しかない、この時を外しては再び口にすることのできない言葉を持って来ているのだ。
「……西郡さま」幸枝はついに思い切って呼びかけた、「わたくしいつぞや貴方さまが、父に仰有っていたことを伺いました、お声が大きかったので聞えてしまいましたの、それで、八木さまとの縁談が定りましたので」
「内祝言が済んだとか聞きましたね」至は向うを見たまま云った。
「いいえ、まだですわ、矢矧川の工事が終りましたら、内祝言を致しますの、もう間もなくだと申しますけれど」
「仲人は誰でした、内田殿でしたか」
「……西郡さま」