후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんしっかく
人間失格
太宰 治의 人間失格(にんげんしっかく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 73,014자 · 141화면
「葉ちゃん、眼鏡をかけてごらん」
或る晩、妹娘のセッちゃんが、アネサと一緒に自分の部屋へ遊びに来て、さんざん自分にお道化を演じさせた揚句の果に、そんな事を言い出しました。
「なぜ?」
「いいから、かけてごらん。アネサの眼鏡を借りなさい」
いつでも、こんな乱暴な命令口調で言うのでした。道化師は、素直にアネサの眼鏡をかけました。とたんに、二人の娘は、笑いころげました。
「そっくり。ロイドに、そっくり」
当時、ハロルド・ロイドとかいう外国の映画の喜劇役者が、日本で人気がありました。
自分は立って片手を挙げ、
「諸君」
と言い、
「このたび、日本のファンの皆様がたに、……」
と一場の挨拶を試み、さらに大笑いさせて、それから、ロイドの映画がそのまちの劇場に来るたび毎に見に行って、ひそかに彼の表情などを研究しました。
また、或る秋の夜、自分が寝ながら本を読んでいると、アネサが鳥のように素早く部屋へはいって来て、いきなり自分の掛蒲団の上に倒れて泣き、
「葉ちゃんが、あたしを助けてくれるのだわね。そうだわね。こんな家、一緒に出てしまったほうがいいのだわ。助けてね。助けて」
などと、はげしい事を口走っては、また泣くのでした。