후리가나로 읽는 일본 고전
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じんめんそうものがたり
人面瘡物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 人面瘡物語(じんめんそうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,114자 · 10화면
「御覧くだされ、宵に御話し申した腫物と云うものを」
と云って、右の膝にかけた衣を捲って股のあたりを露わした。祈祷でも医薬でも、削り捨てても灸で焼き切ろうとしても、どうしても消えないと云う腫物に好奇心を動かしている八郎は、じっと眼を据えて其の内股に注意した。面長な細面の黄色な女の顔が、膝の方を頭にして画かれたように生々と映っていた。
「よく御覧くだされ、これが拙者が殺した女子の顔でござる」
病人は冷かに云って八郎の方を見た。八郎は呼吸をつめるようにしてじっとしていた。
「其処許も後学のために、奇体な腫物を覚えていてくだされ」
八郎は黙っておじぎをした。
朝飯の饗応になって一休みした八郎が出発しようとすると、病人は家来の一人に唐渡の香箱と硯を持って来さして、それを八郎の前へ出した。
「これは疎末なものでござるが、記念と思うて収めてくだされ」
八郎はそれをもらって十余人の家人に見送られ、都へ向って出発したが、奇怪な腫物の病人に心残りがして、帰路にも立ち寄って今一度逢って見たいと思っていたが、止むを得ない事情で東海道を帰ったために、遂に再び其の病人を見る機会がなかった。