후리가나로 읽는 일본 고전
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けさのゆき
今朝の雪
宮本 百合子
宮本 百合子의 今朝の雪(けさのゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,936자 · 24화면
峯子は、いつだったか或る明治の文豪と云われる人が、夫妻の間にとりかわした書簡集をよんだことがあった。その本の頁にはびっくりするほど愛すという言葉が反覆されていた。そして、読む者は、夫妻が、この香気の立ちやすい、くりかえせばたやすく倦怠する表現を追いつ追われつして、必死に、同じ言葉をまだ熱いうちにと対手に向って投げかけているような印象をうけた。この熱烈さには、峯子たちの世代が面している生活の感情と、全くかけはなれたものがあった。
峯子は、何かの折、それらのことを正二に云ってやった。持ち前の虚飾なさで、正二の手紙のかきぶりが、自分に何を教えるか。そして、その手紙がかかれるペンの字は、どんなに、正二の肉体をさながらに、自分のところへもたらすかを云ってやった。
峯子がそんなに感じるなら、この御愛用のペンを粗相で失くしたりは出来ないね、気をつけよう。正二の返事には、そうあった。短く不精髭の生えた正二の口許や眼の表情が峯子には手にとるようにわかるのであった。
いつか灯のついた省線のガラス窓には、夥しい男の顔が重り合っている。勤めがえりの自分の外套からこぼれたマフラーの色も、揺れながら鮮やかに点じられている。