후리가나로 읽는 일본 고전
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면
松田博士の話は終った。
あたりには以前より打ちとけた談笑が起った。廊下の方の扉が開き、アイスクリームや砂糖菓子が運びこまれた。すると、伸子が好奇心を持った男が再び立った。そして新しい顔ぶれもあるから、順ぐりに自己紹介をしたらと思うがと提議した。そういうことの大嫌いな伸子は、思わず救いを求めるように遠方の父親を見た。父はその申し出がさも愉快そうに、愛嬌のよい微笑を眼尻の襞にたたんで晴れ晴れと坐っている。
「それでは――請う隗より始めよということがございますから、失礼して私から申上げます」
彼は、佃一郎という姓名であった。C大学で比較言語学を専攻し、古代の印度、イラニアン語をやっているのだそうだ。国は裏日本で、研究の傍、Y・M・C・Aの仕事を手伝っていた。彼は、
「私でできますことはできるだけ御相談にあずかりますから、どうぞ御遠慮なくおっしゃって下さい」
と結んだ。
古代語の研究と、極めて実利的なY・M・C・Aの仕事との間にどんな心持の上の必然なつながりがあるのだろう。伸子は腑に落ちない気がした。が、彼の専門の題目は漠然とした満足を彼女に与えた。彼の顔に現われているものとその研究との間に性格的な関係をもつ何ものかを感じたように思ったのであった。