후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면
生活全体が、その仏壇のように古風な伝統にみちていた。
彼女達が帰った時、東京ではもう桜も木蓮も散り、楓が若葉を拡げはじめていた。
伸子は、ある日、片手で着物の裾をつまみながら、如露で部屋の前に水撒きをしていた。
天気つづきの上、彼女の部屋のまわりは、建増しの時地肌を荒されたので、乾きようがひどかった。雨に打たれることのない庇の下など、土は黄粉のようにポクポクであった。いくらでも水を吸った。さっさと如露を動かすと、水滴がひろがって土に落ちるとき、軟かい清らかな粒の揃った音がした。すがすがしい土の香が立つ。伸子は段々あとじさりながら、一心に撒いていた。
障子が開いて、佃が顔を出した。彼は、しばらく黙って伸子のすることを見ていたが、
「それはじきすむの」
と云った。
「じきよ。――でも――やめたっていいのよ」
「――お茶が欲しいんだが」
「じゃあ一寸待って、すぐ行くわ」
「ここで飲みたいんだがな」
伸子は如露の水を切って、敷居際に立っている佃を見上げた。
「――あちらへ行きましょうじゃないの、ね?」
「…………」
佃は、沈黙で不服を表した。
「お昼に出たっきりだから、すこし行って喋って来ましょうよ。