일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면

아오조라 문고

世界には、無数の、何でもない男というのがある。その一人で彼があったとして、何の悪いことがあろう。自分が、彼から期待したものを得られないと云ったって、それは、自分が悪いのではないか。伸子は、小さい自分の灯の下で考えた。彼自身が、現在の生活に満足しているとしたら、それを妨げる権利が自分に与えられているだろうか。自分のオリジナリティーの欠乏にも苦しまず、日本へペルシャ研究のための本を集める仲立ちとして、彼が存在することも、或は意味のないことではないかも知れない。彼は、伸子に突つき動かされなければ、彼の立身の希望と、日常の習慣と、堅忍の美徳の中にあって、幸福なのであろう。――

動坂の家で、多計代の激情や、伸子の激しく彼をゆすぶる情に攻め立てられた佃を思うと、伸子は変な気がした。彼は全く困ったであろう。急に違った仲間に入ってきて、前後から吠え立てられた、小胆な一匹の犬のように。

けれども、これから、伸子はどう自分を始末して暮して行ったらよいのだろう。彼の幸福の種類は伸子のいるものではなかった。夫が満足して、その幸福を食うのをそばから眺め、自分は食わず、微笑んでいるべきなのであろうか? 伸子は食いたい人間であった。