후리가나로 읽는 일본 고전
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면
「何にしよう、この辺ちっともおいしいものなんぞないのよ」
ところへ、佃が入って来た。が今度は改めて断りもなく、彼は片端からどしどし黄色い壁を落しだした。和一郎は黙って立ち、八畳へ行ったが、そこも畳に新聞が敷き散らされていたので、彼はやむなく椅子を縁側へ出したらしい。台所と茶の間の境の敷居の上に佇んで、佃の喧嘩ごしな様子を見上げ、伸子は夫の気持を推察するに苦しんだ。佃は、和一郎にまでやつ当りするどんな理由を持っているのだろう。伸子は不本意であった。
「ここは私いつか自分でするから今日はやめて下さらない? 家じゅう、御飯たべるところもなくなってしまうから」
「御飯なんかまだ食べませんよ」
彼女は思わずむっとしたが、和一郎に聞かせたくなく、きっと踏台に乗って立っている佃のズボンのポケットのところを引っぱった。
「なんです?」
伸子は、夫の耳に仰向き、小声で、
「ね私、今日和一郎にゆっくり御飯をたべさせてやりたいのよ。帰って初めて来てくれたんだから。――お願い、ね?」
佃は躊躇する気色だったが、再びくるりと壁に向って立ちなおった。そして伸子のささやきに答える代り、高く聞えよがしに独言した。