일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

えせものがたり

似而非物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 似而非物語(えせものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,817자 · 64화면

아오조라 문고

その犬の鼻づらはちょうど杢助の喉首へんに当っていたそうであるが、いきなり顔と顔をつき合せたので、杢助は驚きと恐怖のあまりたちどころにくる眼を起こした。片方の黒眼はあっちへ動き、片方のそれはこっちへ動いた。それだけではない、双方の黒眼がくるくると勝手なほうへ活動し始めた。これには食いつき犬も仰天したらしい、ううと唸り、背筋の毛を逆立てながら、そのぶきみさにおそれをなして、じりじりと後へしさりだした。たくましく巻き上った尻尾もいつか股の間へ挾まっていたが、杢助の眼球がうしろまえになったとたん、きゃんきゃんと悲鳴をあげて、まっしぐらに西南へ向って逃げだした。勝山城下へ通ずる谷峠の方へ向って、弾丸のようにすばやく逃げ去ってゆき、二度とこの村へは姿をみせなかったそうである。くる眼とはこういうものであった。強く叱るとか折檻するとか、なにかしら激しい感動を与えると、たちまちその発作が起こる。しぜん父親もそうきびしくはできなかったし、杢助は怠け者のまま育っていった。

彼は十八歳のときに村を出奔した。村では娘たちが彼を追い出したのだと云った。

杢助は十四五から背丈が伸び、男ぶりもよくなった。