후리가나로 읽는 일본 고전
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えせものがたり
似而非物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 似而非物語(えせものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,817자 · 64화면
「そうだっけ、ほんに」
老人は頷いた。
「ほんに代々お登女さまっていったっけよ」
道は村へはいった。牛窪村は谷がややひらけて、手取川が大きく彎曲した島のような地形の上にあった。村の三方を川の流れがまわっていた。戸数五十戸ばかりの、古ぼけた板屋根の家々が、道から段登りになって、斜面をけずり石垣で組みあげた狭っくるしい地面に、固くしがみつくように建っていた。
「旦那は杉谷へゆかっしゃるだね」
弥市がさぐるようにきいた。
「杉谷の大先生のとけえよ、もしかそうなら黒門へ寄んなさるがいいだ、大先生は四五日めえから黒門へお客にござって、まだ二三日は黒門にござらっしゃるだよ」
「大先生って、なんの先生だえ」
「おうれこれは」
弥市はまたはねた。
「おうれまたこれは、大先生ってばちょうゐ斎先生でねえか、剣術の大名人で神さまといわれるくれえの人だに、旦那はへえ知らねえつうだかえ」
「おらが知るかさ」
老人は云った。
「ふん、つまらねえ」
「つまらなかねえだ、ちょうゐ斎先生は剣術の神さまみてえに偉えだよ、あんまり偉えだで、世間がうるさくってなんねえ、人が放っておかねえだで、あんまりうるさくってなんねえから、この山ん中へ逃げて来さしっただよ」