후리가나로 읽는 일본 고전
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はいかいさだん
俳諧瑣談
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 俳諧瑣談(はいかいさだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,389자 · 15화면
でも始終顔を合わせてはいたが、一度もその寓居をたずねたことはなかった。それにもかかわらず自分は同氏の住み家やその居室を少なくとも一度は見たことがあるような錯覚を年来もちつづけて来た。そうしてそれがだんだんに固定し現実化してしまって今ではもう一つの体験の記憶とほとんど同格になってしまっている。どうしてそんなことになったかと考えてみるが、どうもよくはわからない。
夏目先生が何かの話のおりに四方太氏のことについて次のようなことを言ったという記憶がある。「四方太という人は実にきちんとした人である。子供もなく夫婦二人きり全くの水入らずでほんとうに小ぢんまりとした、そうして几帳面な生活をしている」といったような意味のことであったと思う。同じようなことを一度ならず何度も聞かされたように思う。
この、きちんとして、小ぢんまりしているという言葉が自分の頭にある四方太氏の風貌ときわめて自然に結びついて、それが自分の想像のスケッチブックのあるページへ「坂本四方太寓居の図」をまざまざと描き上げさせる原動力になったものらしい。その想像の画面に現われた四方太の住み家の玄関の前には一面に白い霜柱が立っている。