후리가나로 읽는 일본 고전
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ちゅうとう
偸盗
芥川 竜之介의 偸盗(ちゅうとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,934자 · 97화면
周囲に沸き返っている、声とも音ともつかない物の響きと、その中に出没する、血と汗とにまみれた人の顔と――そのほかのものは、何も目にはいらない。ただ、さすがに、あとにのこして来た沙金の事が、太刀からほとばしる火花のように、時々心にひらめいた。が、ひらめいたと思ううちに、刻々迫ってくる生死の危急が、たちまちそれをかき消してしまう。そうして、そのあとにはまた、太刀音と矢たけびとが、天をおおう蝗の羽音のように、築土にせかれた小路の中で、とめどもなくわき返った。――次郎は、こういう勢いに促されて、いつか二人の侍と三頭の犬とに追われながら、小路を南へ少しずつ切り立てられて来たのである。
が、相手の一人を殺し、一人を追いはらったあとで、犬だけなら、恐れる事もないと思ったのは、結局次郎の空だのみにすぎなかった。犬は三頭が三頭ながら、大きさも毛なみも一対な茶まだらの逸物で、子牛もこれにくらべれば、大きい事はあっても、小さい事はない。それが皆、口のまわりを人間の血にぬらして、前に変わらず彼の足もとへ、左右から襲いかかった。一頭の頤を蹴返すと、一頭が肩先へおどりかかる。