일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

芥川 竜之介의 偸盗(ちゅうとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,934자 · 97화면

아오조라 문고

自分でなかったなら、たれがこの馬をこの場合、奪う事ができるだろう。向こうには、人の和があった。しかも地の利さえ占めている。もし次郎だったとしたならば――彼の想像には、一瞬の間、侍たちの太刀の下に、切り伏せられている弟の姿が、浮かんだ。これは、もちろん、彼にとって、少しも不快な想像ではない。いやむしろ彼の中にあるある物は、その事実である事を、祈りさえした。自分の手を下さずに、次郎を殺す事ができるなら、それはひとり彼の良心を苦しめずにすむばかりではない。結果から言えば、沙金がそのために、自分を憎む恐れもなくなってしまう。そう思いながらも、彼は、さすがに自分の卑怯を恥じた。そうして口にくわえた太刀を、右手にとって、おもむろに血をぬぐった。

そのぬぐった太刀を、ちょうど鞘におさめた時である。おりから辻を曲がった彼は、行く手の月の中に、二十と言わず三十と言わず、群がる犬の数を尽くして、びょうびょうとほえ立てる声を聞いた。しかも、その中にただ一人、太刀をかざした人の姿が、くずれかかった築土を背負って、おぼろげながら黒く見える。と思う間に、馬は、高くいななきながら、長い鬣をさっと振るうと、四つの蹄に砂煙をまき上げて、またたく暇に太郎をそこへ疾風のように持って行った。