후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくはもうなおっている
僕はもう治っている
坂口 安吾의 僕はもう治っている(ぼくはもうなおっている)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,509자 · 3화면
ボクがこの部屋で仕事をムリにつゞけている時、ちょうど松井大将絞首刑の判決があったがよい気持ではなかった。
ボクはしかし熱海よりも諏訪の方をより好んだ。ボクの若い友人が富士見高原に病を養っているのでその見舞がてら、仕事に行くのであるが、これがまたボクの体力を消耗させたようだ。あの混雑した七時間余りの汽車旅行はもうムリであり、物資不足の土地に病む友へたずさえて行く滋養品の運搬がムリであった。駅からちょっとしかないサナトリウムまで何べんとなく荷物を地に下して休息しなければ歩行がつゞかず、卒倒しそうになることがあった。ボクが弱り果てた姿を見せるのは病人に悪いので、虚勢をはって見せていながら、時々地の底へひきこまれるような幻覚に襲われて、しばし何もわからなくなる時があった。
ボクが入院したのは神経衰弱とそれに催眠剤の中毒があるが、これが、麻薬中毒と間違われたのかも知れない。ボクはもう治っている。去年の今ごろと同じように元気で、毎日後楽園で野球を見ているが、ボクはさらに、廿年前の若いころの健康をとりもどすためにもうちょっと入院するつもりでいる。秋までには長編小説を書き終り、それがすんだら縦横無尽に書きまくるつもりである。