후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
心に隙はなかったが、相手の不思議の振る舞いを怪しく思った葉之助は、じっとその手へ眼を付けた。次第に精神が恍惚となる。すなわち今日の催眠術だ。葉之助はそれへ掛かったのである。「あ、やられた」と思った時には、身動きすることさえ出来なかった。月も湖水も柳の木も、娘の姿ももう見えない。グルグルグルグルと渦巻き渦巻く奇怪な物象が眼の前で、空へ空へ空へ空へ、高く高く高く高く、ただ立ち昇るばかりである。
彼は刀を握ったまま湖水の岸へ転がった。彼は昏々と眠ったのである。そうして翌朝百姓によって呼び覚まされたその時には、腰の大小から衣裳まで悉く剥ぎ取られていたものである。
二四
これは武士たる葉之助にとっては云いようもない恥辱であった。
彼は城内の別館で、爾来客を避けて閉じ籠もった。そうして病気を口実に、正式の使者の会見をさえ延期しなければならなかった。
しかし忽ちこの噂は城の内外へ拡まった。
「内藤家より参られた病気見舞いの使者殿が不思議なご病気になられたそうな」
「さよう不思議なご病気にな。一名仮病とも云われるそうな」「不面目病とも申されるそうな」