후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
彼らはみんな安全であった。
とうとう葉之助一人となった。
煙りは塔を立ちこめた。
ユサユサ塔が揺れ出した。
すぐにも塔は崩れるだろう。
獣達は彼を呼んだ。飛び下りろ飛び下りろと彼を呼んだ。
葉之助は決心した。窓縁へ足をかけ、両刀を高く頭上へ上げ、キッと下を見下ろした。
「ヤッ」と彼は一声叫び、窓から外へ身を躍らせた。
熊の背中が彼を受けた。彼はピョンと飛び上がった。綿の上へでも落ちたようであった。
とたんに塔が傾いた。火の粉がパラパラと八方へ散った。幾軒かの建物へ飛び火した。あちこちから火の手が上がった。
大門の開く音がした。
人の走り出る音がした。
町の火の見で半鐘が鳴った。
四方は昼のように明るかった。男女の信者が火の中で、右往左往に逃げ廻った。
猛獣がそれを追っかけた。
ふたたび人獣争闘が、焔の中で行われた。
葉之助は両刀を縦横に揮い、当たるを幸い切り捲くった。
猛獣が彼を警護した。
彼は大門の前まで来た。門の外は往来であった。それは大江戸の町であった。
一団の人影が走って行った。教主の一団と想像された。
「それ!」
と葉之助は声をかけた。猛獣の群が追っかけた。