후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
「待った待った射っちゃいけねえ!」
鋭い声が聞こえて来た。
何者とばかり放す手を止め声のした方をきっと見ると、ひと群茂った林の中から裸体の壮漢が飛び出して来た。信濃の秋は寒いというに腰に毛皮を纏ったばかり、陽焼けて赤い筋肉を秋天の下に露出させ自然に延ばしたおどろの髪を房々と長く肩に垂れ、右手に握ったは山刀、年はおよそ十七、八、足には革草鞋を穿いている。
「射っちゃアいけねえ射っちゃいけねえ! ここで射られてたまるものか。せっかく俺らが骨を折って八ヶ嶽から追い出して来た熊だ。他人に取られてたまるものか……さあ野郎観念しろ! いいかげん手数をかけやがって! 猪太郎様の眼を眩ませうまうま他領へ逃げようとしたってそうは問屋でおろさねえ!」
詈り詈り熊を追い、追い縋ったと思ったとたんパッと背中へ飛び乗った。
「オーッ」と熊も一生懸命、後脚で立って振り落とそうとする。
「どっこいどっこいそうはいかねえ! これでも喰らって斃りゃあがれ!」
キラリ山刀が閃いたかと思うと月の輪の辺から真っ赤な血が滝のように迸った。
「オーッ」と熊はまた吠えたがこれぞ断末魔の叫びであったかドタリと横へ転がった。