후리가나로 읽는 일본 고전
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こごえるおんな
凍える女
小川 未明
小川 未明의 凍える女(こごえるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,949자 · 20화면
老婆は、やっと火を燃やし付けた。いつしか、この夜中の客を厭わしく思った心も消え失せて、全く憐みの心に変ってしまった。而して、盛に火を燃し立てた。焔は煤けた壁や、障子を紅く染めて家の内が急に明るくなった。障子を隔てて次の間には、何も知らずに令一が眠っている。外の、吹雪の音は、やはり小止みもなく、狂っているのが聞えたのである。
「爺さん、その合羽をとってあげなさい。」と老婆が此方を向いて言った。白髪には焔が映って、片頬は明るかった。
「どんなに寒かったか知れない。」と爺は言いながら、堅く結んで凍っている合羽の紐を漸く解いた。女の巣のような頭髪からは、雪が解けて、雫が滴っている。爺は、この黒い、白い雪の斑点の付いた昆布のように凍えた合羽を後方に取り脱けると、女の背には、乳飲児が負されていた。これを見た老婆は、
「まあ、可哀そうに……。」といって、驚きと憐れみのために眼をうるませた。
「子供を負っていなさるんだ。」といって、爺も、近寄って顔を覗いた。
「眠入っていなさるのか……。」といって、この寒さに、声も立てず母親の背にしがみ付いている乳飲児を見ていじらしく思った。