후리가나로 읽는 일본 고전
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はじめてちちぶにはいったころ
初めて秩父に入った頃
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 初めて秩父に入った頃(はじめてちちぶにはいったころ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,522자 · 5화면
した、それでも方向に迷ったことが幾度あったことか、げに少しも油断のならないのは山登りである。
山上の小屋としては、甲武信岳を少し下ったミズシに側師の空小屋があって、二度ばかり之を利用したのみである。天幕は重くて邪魔になるので携帯せず、代りに大油紙を用意し、雨さえ降らなければいつも毛布に包まって地上にごろ寝した。物凄かったのは東沢の法螺ノ貝と、木賊谷上流の深林とに露営した時で、寒かったのは五月の国師岳の頂上附近及び十一月下旬に井戸沢(将監峠)の水源地に一夜を過した折であった。
其後二十年を経過した。今日の秩父は若い登山者達によりて、殆ど文字通り残る隈もなく探り尽されているらしい、それに較べると私どもの足跡はいうに足らぬものである。唯顧みて過去の山旅を憶うとき、そぞろに足を蹈み入れた秩父の山々が、深い渓谷と、色彩豊かな闊葉樹林と、黒い森厳な針葉樹林とが織り成す秩父の特色ともいう可き滋味を充分に味うことを得せしめて、私どもを心ゆくまで満足させて呉れたことを感謝せずにはいられないのである。(昭和一二、一〇『旅』)