후리가나로 읽는 일본 고전
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ひみつ
刺青・秘密
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 刺青・秘密(ひみつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,935자 · 66화면
燦爛とした星の空を戴いて夢のような神秘な空気に蔽われながら、赤い燈火を湛えて居る夜の趣とは全く異り、秋の日にかんかん照り附けられて乾涸びて居る貧相な家並を見ると、何だか一時にがっかりして興が覚めて了った。
抑え難い好奇心に駆られ、犬が路上の匂いを嗅ぎつつ自分の棲み家へ帰るように、私は又其処から見当をつけて走り出した。
道は再び浅草区へ這入って、小島町から右へ右へと進み、菅橋の近所で電車通りを越え、代地河岸を柳橋の方へ曲って、遂に両国の広小路へ出た。女が如何に方角を悟らせまいとして、大迂廻をやっていたかが察せられる。薬研堀、久松町、浜町と来て蠣浜橋を渡った処で、急にその先が判らなくなった。
何んでも女の家は、この辺の路次にあるらしかった。一時間ばかりかかって、私はその近所の狭い横町を出つ入りつした。
丁度道了権現の向い側の、ぎっしり並んだ家と家との庇間を分けて、殆ど眼につかないような、細い、ささやかな小路のあるのを見つけ出した時、私は直覚的に女の家がその奥に潜んで居ることを知った。中へ這入って行くと右側の二三軒目の、見事な洗い出しの板塀に囲まれた二階の欄干から、松の葉越しに女は死人のような顔をして、じっと此方を見おろして居た。