후리가나로 읽는 일본 고전
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ひみつ
刺青・秘密
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 刺青・秘密(ひみつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,935자 · 66화면
いる。けれども、砂地がきれいであるせいか足にも裾にも汚れ目はまるで附いていない。ぱたり、ぱたりと、草履を挙げて歩く度毎に、舐めてもいいと思われるほど真白な足の裏が見える。狐だか人間だかまだ正体は分らないが、肌は紛うべくもない人間の皮膚である。月の光が編笠を滑り落ちて寒そうに照らしている襟足から、前屈みに屈んでいる背筋の方へかけて、きゃしゃな背骨の隆起しているのまでがありありと分る。背筋の両側には細々とした撫肩が、地へ曳く衣と共にすんなりとしている。左右へ開いた編笠の庇よりも狭いくらいに、その肩幅は細いのである。折々ぐっと俯向く時に、びっしょり水に濡れたような美しい髱の毛と、その毛を押えている笠の緒の間から、耳朶の肉の裏側が見える。しかし、見えるのはその耳朶までで、それから先にはどんな顔があるのだか、笠の緒が邪魔になってまるっきり分らない。なよなよとした、風にも堪えぬ後姿を、視詰めれば視詰めるほど、ますます人間離れがしているように感ぜられて、やっぱり狐の化けているのではないかと訝しまれる。いかにも優しい、か弱い美女の後姿を見せて置いて、傍へ近寄ると、「わっ」