후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜんしょう
前哨
黒島 伝治
黒島 伝治의 前哨(ぜんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,857자 · 18화면
「や、支那兵だ!」
彼は、一時に心臓の血が逆立ちして、思わず銃を持ち直した。すぐ様、火蓋を切ったものか、又は、様子をうかがったものか、瞬間、迷った。ほかの七人も棒立ちになって、一人の中山服を見つめた。若し、支那兵が一人きりなら、それを片づけるのは訳のない仕事だ。しかし、機関銃を持って十人も、その中にかくれているか、或は、銃声をきゝつけて、附近から大部隊がやって来るとすると、こちらがみな殺しにされないとは云えない。一里の距離は、彼等に、本隊への依頼心を失わせてしまった。そして、軍曹から初年兵の後藤にいたるまで、自分たちはたゞ、自分たち八人だけだという感じを深くした。
中山服は、彼等を見ると、間が抜けたようにニタ/\と笑った。つゞいて、あとからも一人顔を出した。それも同じように間が抜けた、のんびりした顔でニタ/\と笑った。
「何ンだい、あいつら笑ってやがら!」
今にも火蓋を切ろうとしていた、彼等の緊張はゆるんだ。油断をすることは出来なかった。が、このまゝ、暫らく様子を見ることにした。
どちらも、後方の本陣へ伝令を出すこともなく、射撃を開始することもなく、その日はすぎてしまった。