후리가나로 읽는 일본 고전
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
佐々木 邦의 勝ち運負け運(かちうんまけうん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,262자 · 243화면
と下村君が所望したので、僕は母親が神棚へ上げて置いたのを取りに行った。その折、お燈明を覆えしたものだから、免状に油が夥か沁みた。
「しまった」
「何うしたの?」
と母親が立って来た。
「お燈明をひっくりかえしてしまって……」
「まあ/\」
「拭いて置いて下さい」
と僕は畳の始末を母親に頼んだ。免状が番頭達の手に渡った。
「折角のものが油だらけになって、惜しいことをしましたな」
「いや、それは長年油を売った証です。矢っ張り争われないものですよ」
と父親が笑った。学校のことで小言を言ったことはなかったが、僕の不勉強をよく知っていたのである。
「これはこれから油が乗るという吉兆でございましょう」
と下村君が気を利かした。兜町の連中は兎角縁起を担ぐ。物事を好い方へ抉じつけないと安心が出来ない。
「時に若旦那は何処か会社へでもお勤めになりますか?」
と丸尾さんが訊いた。出世をするくらいの人だから、目が利いている。斯ういうのに店を引っかき廻されては困ると思ったのだろう。果して僕は丸尾さんに並み一通りならぬ迷惑をかけつゞけた。
「いや、店で働きます。何分宜しく」
「私達こそ」
「これからが本当の修業です」