후리가나로 읽는 일본 고전
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
佐々木 邦의 勝ち運負け運(かちうんまけうん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,262자 · 243화면
「シント?」
「株をやっていらっしゃったんですが、丁度千円ばかりの御損です。困りましたな、これは。私の方でお立て替えしてあるんですから」
と僕は泣きそうになってしまった。自分の七百円さえ背負い切れない。そこへ千円と少し端多がつく。
加藤さんは親切な人だった。客間へ請じて、渋川氏のことを詳しく話してくれた。同郷の後輩だそうだ。大阪で会社を失策って就職運動のために上京、先頃から加藤さんのところに居候をしていたが、退職手当を資本に一攫千金を夢みたのらしい。僕は主人と思い込んだのみならず、教育家と聞いたから、悉皆信用していた。家の構えも相応だった。
「自分の家の客間で自分の名刺を出すなんてことは初めての経験ですが、念の為めです」
と言って、加藤さんは肩書つきの名刺を渡した。中学校の校長さんだった。
「恐れ入ります。私は斯ういうものでございますが、商売の方の意味でなしに、何分宜しく」
と僕も今更慌てゝ名刺を出した。
「渋川君は私の名前で株式投機をやっていたんですか?」
「いや、御主人に成り澄ましていましたが、教育家として具合が悪いから、杉山として置いてくれと仰有いました」