후리가나로 읽는 일본 고전
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
国枝 史郎의 十二神貝十郎手柄話(オチフルイかいじゅうろうてがらばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,035자 · 254화면
羽織、蝋塗りの大小、威も品もある立派な武士であった。
「おや、あれは、珠太郎殿ではないか」
武士は一所を凝視した。
「あの娘に見とれている」
富豪の息子とも思われるような、鷹揚で品のある青年が、ずっと向こうの渚の辺で、扇で胸を煽ぎながら、潮湯治場の賑わいを、面白そうに眺めていたが、例の娘が自分の横を、桟橋の方へ歩いて行くのを見ると、ひどく衝たれたというふうに、恍惚とした様子で見送った。
が、すぐに自分も歩き出し、その娘の後をつけて行った。
「これは困ったことになったぞ」武士は呟いて考え込んだ。
「おや、二人は話し出したぞ」
桟橋の上で青年と娘とが、羞らいながらぼそぼそと、話しているのが見て取れた。
――その日から十日の日が経った。
「いつ?」とお小夜は情熱的に訊ねた。
「いつでも」と珠太郎は熱心に答えた。
二人の手はしっかりと握られている。それは七月のことであって、十三日の月が懸かっていた。
媾曳をしている二人の者へも、月光は降りそそいでいた。ここは尾張領知多の郡、大野の宿の潮湯治場(今日のいわゆる海水浴場)で、夜ではあったが賑わっていた。珠太郎は二十歳の青年で、尾張家御用達の大町人、清洲越十人衆の一人として、富と門閥とを誇っている、丸田屋儀右衛門の長男であった。