후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
平田禿木君も言うように、上田敏君は「文学界」が生んだ唯一の学者である。その上田君の学者的態度を以てしてもこの国独自な希臘研究を残されるところまで行かなかったのは惜しい。西欧ルネッサンスに行く道は、希臘に通ずる道であるから、当然上田君のような学者にはその準備もあったろう。しかし同君はそちらの方に深入りしないで、近代象徴詩の紹介や翻訳に歩みを転ぜられたように思われる。
このスケッチをつくっていた頃、わたしは東京の岡野知十君から俳諧雑誌「半面」の寄贈を受けたことがあった。その新刊の号に斎藤緑雨君の寄せた文章が出ている。緑雨君の筆はわたしのことにも言い及んである。
「彼も今では北佐久郡の居候、山猿にしてはちと色が白過ぎるまで」
緑雨君はこういう調子の人であった。うまいとも、辛辣とも言ってみようのない、こんな言い廻しにかけて当時同君の右に出るものはなかった。しかし、東京の知人等からも離れて来ているわたしに取っては、おそらくそれが最後に聴きつけた緑雨君の声であったように思う。わたしは文学の上のことで直接に同君から学んだものとても殆んどないのであるが、しかし世間智に富んだ同君からいろいろ啓発されたことは少くなかった。