후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
細君が芋を入れれば、亭主はその上へ蓋を載せる。私達は「手鍋提げても」という俗謡にあるような生活を眼のあたり見た。
小猫は肉の香を嗅ぎつけて新聞紙包の傍へ鼻を押しつけ、亭主に叱られた。やがて私達の後を廻って遠慮なくW君の膝に上った。「野郎」と復た亭主に叱られて炉辺に縮み、寒そうに火を眺めて目を細くした。
「私はこの猫という奴が大嫌いですが、本家でもって無理に貰ってくれッて、連れて来やした」
と亭主は言って、色の黒い野鼠がこの小屋へ来ていたずらすることなど、山の中らしい話をして笑った。
「すこし煙たくなって来たナア。開けるか」とW君は起上って、細目に小屋の障子を開けた。しばらく屋外を眺めて立っていた。
「ああ好い月だ、冴え冴えとして」
と言いながらこの同僚が座に戻る頃は、鍋から白い泡を吹いて、湯気も立のぼった。
「さア、もういいよ」
「肉を入れて下さい」
「どれ入れるかナ。一寸待てよ、芋を見て――」
亭主は貝匙で芋を一つ掬った。それを鍋蓋の上に載せて、いくつかに割って見た。芋は肉を入れても可い程に煮えた。そこで新聞紙包が解かれ、竹の皮が開かれた。赤々とした牛の肉のすこし白い脂肪も混ったのを、亭主は箸で鍋の中に入れた。