후리가나로 읽는 일본 고전
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 卍(まんじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,618자 · 258화면
いうのんで、「大阪の誰やねん?」いいますと、「誰ともいやはれへんけど、大急ぎで電話口までいうてはります」いうのんです。「もしもしどなた様ですか」いいますと、「姉ちゃん、あて――あてや」いうのんが、光子さんより外にそんないいようする人はないのんですけど、それが電話が遠いのんか、小声でいうてるのんか、聴き取れんぐらいかすかやのんで、何や誰ぞにわるさでもしられてるような気イして、「あんた誰ですねん? はっきり名前いうて頂戴、何番い電話かけなさったん?」と念押しますと、「あてやわ、姉ちゃん、あて西宮の一二三四番へかけてんねんわ」と家の電話番号をいう声が、聞いてるとやっぱり紛れものう光子さんで、「……あてなあ、今大阪の南の方にいるねんけど、えらい目に遭うてしもて、……着物盗まれてしもてん。」「何やて、着物を?……あんた何してたん?」「あてお風呂い這入っててん。……此処なあ、南地の料理屋で、内にお風呂あるよって。……」「ふうん、なんでまたそんなとこい行てたん?」「そらいろいろ訳あるねんけど、……こないだから是非姉ちゃんに聞いてもらわんならん思ててんけど、……ま、その話あとでゆっくりいうよって、……あて今えらいえらい難儀してるよって、……どうぞ助ける思て、あのさっき着てた揃いの着物なあ、あれ大急ぎで届けて欲しいねん。