후리가나로 읽는 일본 고전
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みなみさんのこいびと
南さんの恋人
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 南さんの恋人(みなみさんのこいびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,630자 · 36화면
次に顔をしかめて、出ていって、またゆっくり歩きだし、こんどは裏通りの小料理にはいって、日本酒をのみだした。コースが、コーヒーから洋食からビールから日本酒と、まるであべこべだ。恐らく彼の頭も、時間を逆に辿っていたのだろう。おれは彼の真正面に両肱をついて、じっとその顔を眺めてやった。――「どうです、これを最後として、心残りなくやっつけますか……。」
南さんは苦笑を浮べ、眼をちらと光らした。そして紙入を取出して、中を調べた。
南さんは立上った。顔には赤みが浮きだし、瞳が輝いてきて、足どりもしっかりしていた。酒飲みの体力というものは、急に衰えたり燃えたったりして、まるで見当がつかないものだ。
こうなると、おれも辛抱してついてきた甲斐がある。しかも、南さんの行く先が、昨夜のアカシアだ。
おれが予言したように、西の空から明るく晴れかけていたが、もう夕方で、街は昼の明るみと照明とが相殺しあうおぼろな時刻、慌しい人通りだった。
カフェーの中はまだ人いきれがなく、さむざむとしていた。南さんは側目もふらず、まっすぐ二階に上ってゆき、一番隅っこの、芭蕉の葉影のボックスに腰を下した。