후리가나로 읽는 일본 고전
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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん
南北の東海道四谷怪談
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 南北の東海道四谷怪談(なんぼくのとうかいどうよつやかいだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,555자 · 34화면
盥の水は真赤な生なましい血に変わっていた。お袖はびっくりした。と、其の中から一匹の鼠が、彼の櫛をくわえたまま飛びだした。直助はすぐそれを見つけた。
「鼠が、鼠が」
鼠は仏壇へ往って啣えていた櫛を置くなり消えてしまった。
一〇
お袖は按摩の宅悦からお岩が伊右衛門のために殺されて神田川に投げこまれたと云うことを聞いて驚いた。それも姉が小平と不義をしたと云って、小平とともに杉戸へ打ちつけられたと聞いては、泣くにも涙が出なかった。直助はお袖を慰めた。
「憎い奴は伊右衛門じゃ、まあ気を落とさずに時節を待つがいい、きっと俺が讐を打ってやる」
お袖は手酌で一ぱい飲んでそれを直助にさした。
「さ、一つ飲んでくださんせ」
直助は盃を執ってお袖に酌をしてもらった。
「これは、御馳走。それにしても女の身では、酒でも飲まずにはいられまい、他人のおれでさえ」
「其の他人にせまいために、女のわたしからさした盃」
「そうか」
「もし、もう祝言はすんだぞえ、親と夫の百ヶ日、今日がすぎれば、今宵から」
「そんならおぬしは」
「操を破って操をたてるわたしが心」
二人は立ててある屏風の中へ入ったところで、表の戸をとんとんと叩く者があった。