후리가나로 읽는 일본 고전
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
久生 十蘭의 南極記(なんきょくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,753자 · 35화면
ない幽霊のような悽惨な姿で、やっと呼吸をしていた。
南極では、スコットの極地探検隊とシャクルトンが死んだ。悲劇の顛末はスコットの隊員、チェリー・ジェラルドの「世界最悪の旅」と、シャクルトンの隊員、ラッセル・オーエンの「南氷洋」で見るとおりである。
日本の国旗は、南極の風にはためきながら、漂うようにはるか視野の外に消え、機翼の下にハイベルクの大氷河を挾んだ、極地山脈の死んだような輪郭があらわれた。氷雪を突きぬけて、わずかばかりあらわれだした山頂の岩は、目眩くような氷の反射光の中で、古めかしい城壁のように立並んでいる。あるものは赤味がかった褐色をし、あるものは鉄のように黒く、たったいま地獄の中で燃え尽き、煤をかぶりながら燻っているような色をしていた。極のほうへ涯てもなくつづく山々の間は、ぞっとするような海緑色の氷床と無間の闇をひそめた底知れぬ氷河の亀裂で、寂莫たる空間と、黒金のような沈黙がその上にひろがっている。それはちょうど、氷と、霧と、寒気と、岩ばかりで、雲のむこうに、まだ空さえもなかった、第四紀のはじめ頃の欧羅巴の姿を想像させた。
快適な温度を保っている気密室のやわらかなクッションに凭れ、浮世離れのした、夢のような悠長な状態で展望している極地附近の風景は、禁慾的なカトリック教の地獄のようないかめしい様相