후리가나로 읽는 일본 고전
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なんぶのはなまがり
南部の鼻曲り
久生 十蘭
久生 十蘭의 南部の鼻曲り(なんぶのはなまがり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,683자 · 25화면
モオリー下戸米秀吉もその一人だった。このモオリー下戸米がつまりこの話の主人公なのである。
おれがはじめてモオリーに逢ったのは、アラスカのクエンスローにあるベーリング会社の罐詰工場へ契約の鮭殺しを運んで行くドーソン号の最下船だった。おれが見ると、薄暗い五味桶のような三等室の蚕棚の中段に、端然と身を横たえている一人の日本人があった。品のいい背広をきちんと着て、巻煙草を指にはさんだまま蒼い顔をして眼をつぶっている。それもいいが、それが絶対なる She-boy なんだから人目をひいた。シーボーイってなんのことだね。
優男というと当らない、男おんなもチトへんかな、つまり女にもみまほしき男子なのである。そうはいっても顔がきれいだとかなんとかいうのではない。身体のつくりがいかにもなよなよとしていて、手の恰好などはけしからんような気がするほど美しい。見事なのである。ちょうどワットオの絵のようなんだ。
ところがそれがえらいみかけ倒しなんで、じつは途方もない業つくばりだった。が、そのときはそんなことは知らない。なにしろ万白船中黄二点、全船の白の中でおれをのけてただ一人の日本人なんだからおれも気にした。