후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
スーラーブの軍は、十日目の日沈頃アフラシャブ領とサアンガン領との境を区切る険阻な巖山の麓で、バーマンに率いられ、一日前に先着していたツラン勢と落ち合った。
二十一
六七月は、ツラン、北方イラン地方で、最も気候のよい時である。毎日、空は瑠璃のように燿く晴天つづきで、野原や森林は、瑞々しい初夏の若葉で、戦ぎ立っている。夜は、星が降るように煌いた。春の雪解でたまった手の切れるような水が、山奥の細い谿流にまで漲り渡って、野生の種々な花の蜜とともにどんなに貪婪(どんらん)な喉を潤しても尚、余りあるほどだ。夥しい兵と、数百の乗馬、荷驢馬の長いうねうねした列は、彼方此方で夜営のかがりを燃き、平和に、寧ろ巡礼旅行者のように進行した、イランの国境に迫る迄、多くの者は、甲冑さえ正式にはつけなかった。
この季節は、夜が非常に短いので、予定より早く二十五日目に、今迄ずっと登りであった山路が、次第にイラン内地に向って下り坂になって来た。戦いに向うにしては、余り言のなさすぎる長道中に稍倦怠を感じ出した者共は、いよいよ明日、イランに入ると聞いて、俄に勢い立った。