후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
命令を受けた男が何処へか去るとすぐ、一人の兵卒が、手綱で二匹の乗馬を牽いて現れた。兜の男と赤い羽毛飾をつけた男とが、ひらりとそれに跨った。
彼等は暫くの間、並足で高地の端に沿って騎って行ったが、一寸、物かげに隠れると、今度は別な方から、小刻な※で出て来た。ルスタムは、二三遍、馬の背で調子よく揺れる兜の煌く頂が、見えたり隠れたりするのを追った。けれどもふと、一つ向きが更わると、そのまま二人とも高地の奥へ見えなくなってしまった。
ルスタムは、急に索然とした失望を感じた。それでも、今来るか、今来るかと思いながら、彼は永い間、其処から動かなかった。
騎士等は、きっと何処か別な、彼に見えない処で降りてでもしまったのだろう。
ルスタムは、余程経ってから、のろのろ、何かに気を奪われている風で馬の頭を立てなおした。陣地と定った場所では、兵等が罵り合い右往左往して、幕営の準備をしていた。ルスタムは、混雑した荷騾馬の群の横や、地面に積上げられた食糧の大袋の山をよけ、彼方の天幕に戻った。
その晩イラン方では、戦捷の前祝に簡単な祝宴が催された。大きな燎火が、澄んだ曠原の夜の空を一部分ボーッと焦している下で、兵卒等はぐるりと幾つもの円い輪に坐り、てんでに果物酒と堅焼煎餅とを前に置いて、喋り、笑い、或る者は、歌を謡った。