후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
ツラン軍から熱烈な喊声が湧いた。スーラーブは、その音波を劈(つんざ)く高声で敵に叫びかけた。
「イランの王、カイ・カーウス! 出会え、出会え、流されたツラン人の血は卿の血で償おう!」
両軍に、明かな動揺が伝わった。誰か出て来るか。スーラーブは、尚も輪騎りをしながら、ツラン幾千の眼が、煌いて、自分の背後から前方に瞠られているのを感じた。彼は、カイ・カーウス自身の出ないのは知りきっていた。彼は、甲冑の奥に母から貰った頸飾りのあることを自分に確めた。微かに戦慄が起るほどの緊張で、而も頭は澄んで、スーラーブは、敵の前面を見渡した。
三十八
この時、ルスタムは、まるで、これ迄と異う地味な目立たない武装でイラン軍の後方にいた。彼は、特殊な感情を以て、一騎乗り出して来たツランの若者を見た。しゃんと武装を調えたところは、昨夜、見た同じ者とは思えなかった。多勢のツラン兵の前に立ってひとりでに比較されて見ると、彼の眼には、何処か若者の相貌に、イラン風なところがあるようにさえ感じられた。ルスタムは、灰色の馬を歩ませて、もっとよく見える前列の傍に出た。
今度そこに来たら充分視ようと心構えした時、スーラーブは、ぴたりと馬を停め、高らかに大胆な挑戦をしかけたのであった。