후리가나로 읽는 일본 고전
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こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
山本 周五郎의 古今集巻之五(こきんしゅうまきのご)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,482자 · 43화면
くれ」
そして五郎太は帰っていった。
岡本を送りだしたあと、元の座敷へ戻った主計は、歌集を前にしたまま、ながいこと独りで坐っていた。それから、ためらうような、ひどく鈍い動作で歌集を取りあげ、裏表紙の見返しをあけてみた。糊の剥げた見返しの下に、細筆で「細野源三郎」と書いてあった。女文字のような、いかにも小心な手跡で、「源」の一字だけ墨が滲んでいた。
「細野源三郎」と主計は呟いた、「――与左衛門の息子ではないか」
杉江の生家、吉原氏の隣りに、細野与左衛門の家がある。五十石ばかりの徒士頭で、源三郎という二男がおり、学才があるため、松崎塾で教授の助手をしている、という話を聞いたことがあった。しかし去年の夏ごろだったか、長男の与兵衛が病死をし、源三郎が跡目を継ぐことになったので、塾からは去ったということも聞いた覚えがあった。
「そうか」と主計は呟いた、「そういうことだったのか」
とつぜん心臓のあたりが燃えるように熱くなり、怒りのために躯がふるえだした。
――おれは永井を信じているぞ。
耳の奥で岡本の声が聞えた。なにを、と主計は思った。それから翌日、父を送りだしてしまうまで、彼は頭の中で幾十たびとなく細野源三郎と決闘をし、源三郎を斬った。