후리가나로 읽는 일본 고전
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こてんふう
古典風
太宰 治의 古典風(こてんふう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,400자 · 21화면
ご自分おひとりの恰好のためにのみ、死ぬるばかり苦しんで居ります。ご存じでございましょうけれど、私の枕元には、三輪の水仙のほかに小さい鏡台がひとつ置かれてございます。私は花を眺め、それから、この鏡のなかを覗いて、私の美しい顔に話しかけます。美しい、と申しあげました。私は、私の顔を愛して居ります。いいえ、哀惜して居ります。白状なさい、あなたさまも全く同じような一夜をお持ちなさいましたことを。私たちの不幸は、私たちの苦悩はみんなここから、この鏡の中から湧いて出ているのではございませぬか。ひとのため、たいへんつまらぬ、ひとりの肉親のため、自身を泥に埋めて、こなごなにする盲動が、なぜ私たちに、出来ないのでございましょう。それが出来たら。ゆるがぬ信仰を以てそれが、出来たら。きざな事ばかり言って居ります。軽蔑なさいませ。私は、やぶれかぶれなの。私、いま、頬をあかくして書いて居ります。私は、あなたさまを愛しています。
鉛筆を噛んだまま、永いこと考えました。愛しています、と書いて、消そうか、けれども、これは、やっぱりこのまま消さずに置いたほうがいいのだ。とまた思い直し、ああ、もうどうでも、御勝手になさいませ、けれども、やっぱり私は、あなたさまを愛して居ります。