후리가나로 읽는 일본 고전
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 古寺巡礼(こじじゅんれい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,765자 · 285화면
むしろ男性に対して存在する女性を、誘惑の原理としての女性を、――ただそれだけを女体に認める人が、自分の美しいと感ずる部分を強調して描き出したように思われる。このことは特に天人や、恋愛する女や、物語の図に現われる女などに著しい。あの高くもり上がった乳房や、太い腰部の描き方を見た人は、恐らく何人もこの見解に反対しまいと思う。そこに現わされたのは、調和の極致であるような、美しい線と面との交響でもなく、また生の歓びを神的にまで高めたような、神秘な恍惚でもない。直ちに触覚に迫って来る肌の柔らかさや肉のふくらみの感じである。――このような画がどうして仏徒の礼拝堂や住居などの壁に画かれなくてはならなかったのか。官能の享楽を捨離して、山中の僧院に真理と解脱とを追究する出家者が、何ゆえに日夜この種の画に親しまなくてはならなかったのか。
人間生活を宗教的とか、知的とか、道徳的とかいうふうに截然と区別してしまうことは正しくない。それは具体的な一つの生活をバラバラにし、生きた全体としてつかむことを不可能にする。しかし一つの側面をその著しい特徴によって他と区別して観察するということは、それが全体の一側面であることを忘れない限り、依然として必要なことである。