일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こじじゅんれい

古寺巡礼

和辻 哲郎

和辻 哲郎의 古寺巡礼(こじじゅんれい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,765자 · 285화면

아오조라 문고

一個の人を写さずして人間そのものを写すのである。芸術の一流派としての写実的傾向ではなくして芸術の本質としての写実なのである。この像のどの点をとってみても、そこに人体を見る眼の不足を思わせるものはない。すべてが透徹した眼で見られ、その見られたものが自由な手腕によって表現せられている。がその写実も、あらゆる偉大な古典的芸術におけるごとく、さらに深いある者を表現するための手段にほかならない。もし近代の傑作が一個の人を写して人間そのものを示現しているといえるならば、この種の古典的傑作は人間そのものを写して神を示現しているといえるであろう。だからあの肩から胸への力強いうねりや、腕と手の美しい円さや、すべて最も人らしい形のうちに、無限の力の神秘を現わしているのである。

わたくしは小僧君の許しを得て廚子のなかに入り細部を観察したが、あの偉大な銅像に自分の体をすりつけるほど近よせた時には、奇妙なよろこびが感じられた。美しく古びた銅のからだから一種の生気が放射して来るかのようであった。ことにあの静かに垂れた右手に近よって、象牙のように滑らかな銅の肌をなでながら、横から見上げたときには、この像の新しい生面が開けるかのようであった。