후리가나로 읽는 일본 고전
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 古寺巡礼(こじじゅんれい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,765자 · 285화면
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山の裳裾の広い原に
麦は青々とのび
菜の花は香る、
その原なかの一すじ道
塔の見える当麻の寺へ。
れんげたんぽぽ柔らかげに
踏むは白玉の足
なよやかに軽く、
裳をふく風もうるさそうに
塔の見える当麻の寺へ。
汗ばむらしい姫の顔は
艶やかな処女のにおい
ふくよかな円み、
散るおくれ毛もうるさそうに
塔の見える当麻の寺へ。
姫は目をあげ塔を望む
あわれその目の深さ
なやましい暗さ、
眉をひそめて物憂そうに
塔の見える当麻の寺へ。
乳母と侍女とは言葉もなく
あとにうなだれて行く
忍びめく歩み、
嘆息の音も悲しそうに
塔の見える当麻の寺へ。
それが中将姫である。奇蹟伝説の主人公である。「その性いさぎよくして、ひとへに人間の栄耀をかろしめて、たゞ山林幽閑をしのび、つひに当寺の蘭若をしめて弥陀の浄刹をのぞむ。天平宝字七年六月十五日蒼美をおとしていよ/\往生浄土のつとめ念ごろなり」と『古今著聞集』は伝えている。伝説の起こったのもこの書の著作よりあまり古いことではないかも知れぬ。
寺へついてからもわたくしの気分を支配していたのはこの美しい尼の伝説である。生身の弥陀をこの肉眼で見たい、――それが信仰に燃ゆるこの若い心の赤熱した祈願であった。